6歳娘が発達性読み書き障害と診断(仮)を受けるまで4
8月中旬、小児科医から紹介された最寄りの国立の総合病院を受診しました。
結論から言うと、小児の発達の専門医から発達性読み書き障害だろうと言われました。
担当医のY先生は30代後半くらいに見えるとても物腰の柔らかい男性の先生でした。
呼ばれて診察室に入るとすでに小児科医からの紹介状を一読されていたようで、『ひらがなのなぞり書きや写し書きはできるが読めないし書けない』という症状で合っているかを確認されました。
「ちょっとお名前書いてみて」とプリンタからコピー機を一枚取り出して鉛筆と一緒に娘に差し出しましたが、娘は書けません。
「何か見て書く?」と聞かれた娘が頷いたので、私は「名札を見て書こうか」と降園時に外しておいた名札を差し出しました。
娘はいつも園で配られた塗り絵等に記名する時と同じように、とても読みやすい綺麗な字で名前を書きました。Y先生からも褒められ苗字も書くように言われ、こちらは普段書かないので苦戦していましたが、なんとか書くことができました。
数字は読めるのかと聞かれたので、調子とフォントにもよるが1〜3くらいまでは読めると答えました。
文字に興味はあるかと聞かれたので、読書が好きなこと、絵本を自分でも絵や読み聞かせされた記憶だけで読むこと、タブレットの読み上げ機能で小学校中学年〜高学年向けの本も読んでいることを答えました。この質問の回答としては少しずれてしまったような気がします。
その後は生育歴(出生週数、出生体重、いつ首が据わったか、いつお座りしたか、いつ歩いたか、いつ喋ったか等)と家族について(家族構成、治療中の病気はあるか等)を聞かれました。
以下Y先生より。
・発達性読み書き障害だと思う
・WISC-IVを含む3つの検査を受けてもらう
・まだ未就学でひらがな履修前なので、仮の検査結果にはなってしまう
・この病院だと検査が数ヶ月待ちなので大学病院に行ってもらう
・10月〜11月にある就学相談前までに診断書を出して、合理的配慮を求められるようにしたい
・小学校では全員にタブレットが配布され、アプリで教科書の読み上げもできるから使って欲しい
・数字が読めているということは読む力が全く無いということではない
・ひらがなより、カタカナ・漢字等の字が意味を持つものの方が読みやすくなるのではないか
正直に言うと担当医に読み書き障害だと思うと言われてほっとしました。
5月に自治体の発達障害に関する相談窓口に電話で相談した時には、まだ心配するような歳ではない。かるた遊びなど子供が嫌がらないように工夫して勉強させてと言われ、心のどこかで私の考え過ぎなのか、私の教え方、育て方が悪いだけなのだろうかと不安に思っていたためだと思います。
また診断を就学相談に間に合わせようと柔軟に動いてくださったのも本当にありがたかったです。
就学時健康診断で診断書無しに娘の読み書きの不安について相談しても、自治体の相談窓口のように取り合ってもらえないのでは無いかと心配していたからです。
すぐに最寄りの大学病院に予約を取ってもらったので、一週間後に受診することになりました。
WISC-IVを受けて来ました
娘6歳1ヶ月
大学病院の小児科外来で知能検査(WISC-IV)を受けて来ました。
娘が私の退出を拒んだので隣に同席したまま受けました。
WISC-IVには基本下位検査10個、補助下位検査5個の計15個があるとされていますが、臨床心理士さんが用意していた検査は12個でした。
どれかの検査が省かれているのか、どれかが同時に行われているのかは謎です。結果説明の時に聞いてみようと思います。
検査のうち一つは、娘が五十音順というものを理解していないのでスキップしました(おそらくワーキングメモリー指標の語音整列)。
心理士さんからの自己紹介、簡単な問診と計11項目の検査で、45分間かかりました。
娘は難易度の高い課題にはほとんど考えずに「分からない!」とハキハキ答えていたので、早めに終わった方だと思います。
6個目くらいの検査で集中が切れたのか分かりそうな設問にも「分からない!」と答えていて不安になりましたが、最後までよく頑張りました。
検査を受けた娘の感想は「簡単だった!」そうです。
問診で心理士さんに娘の症状(お手本があれば書ける、毎日名札を見て名前を書いているけど1年以上読めるようにならないまま)を伝えると、「言葉での指示には従うことができますか?」と聞かれたので「どちらかと言うと出来る方だと思います」と答えると、「だから余計に読み書きが気になっちゃうのね」と言われてしまい。
別に必要以上に気にしてるつもりはないんですけどね。
やはり未就学で読み書きできないと判断するのは早すぎる、気にしすぎだと感じる専門家もいるのかなと感じました。
6歳娘が発達性読み書き障害と診断(仮)を受けるまで3
個人懇談会の後日娘の担任の先生が説明してくれたところによると、現在住んでいる自治体で特別支援教育を受ける場合の流れとしては以下のようになっているらしいです。
5月 就学に関する学習会に参加し就学までの流れの説明を受ける
6月 夏の就学相談会に参加し個別相談を行う
10月 就学時健康診断を受ける(支援に関係なく年長児全員)
11月 個別の就学相談会(6月のものとの違いは分からない)
11月 教育委員会の判断に基づき市が判定
2月 入学・入級・通級先が決定
この時点で7月だったので、我が家は夏の就学相談会には参加できませんでした。
先生も娘には関係の無い話だと思って特に案内しなかったようです。
これは私のリサーチ不足のせいですね。通級を考えてるなら自分で調べて行けば良かったです。
担任の先生は8月に教育委員会から園への訪問があるので、そこで娘に支援が必要そうであることを説明しておくと言ってくれました。
また担任の先生からかかりつけ医に相談してみては?と言われたので、発達の問題について相談できそうな近隣の小児科を探してみることにしました。
というのも娘はほとんど病気にかかったことがない健康優良児で、予防接種以外で小児科に行ったことがありません。
たまに風邪を引くことはありますが、我が家の徒歩圏内に小児科が無く、いつも親子でお世話になっている耳鼻科があるのでそちらに行ってしまうせいもあります。
そこで一度予防接種でお世話になったことがあり、ウェブサイトで発達障害について少し触れている小児科に予約を取りました。
診察で確認されたのは以下のことです。
・ひらがなのなぞり書きや写し書きはできるが読めるようにならないこと
・数字はひらがなよりは読めるが読めないものも多いこと
・他の発達障害傾向は無いこと
小児科の先生はおそらく読み書き障害だろうと言い、検査とリハビリのできる近隣の総合病院に紹介状を書いて予約を取ってくれました。
6歳娘が発達性読み書き障害と診断(仮)を受けるまで2
7月に保育園で個人懇談がありました。
保育園の先生たちは娘が字を読めないことを気付いていませんでした。
娘は普段園での集団生活に特に不満も不安もないので、個人懇談が1年で唯一先生ときちんと
お話する機会です。
娘の担任は年少で今の園に入園した時から担任としてお世話になって3年目のM先生で、娘も私もとても信頼しています。
私は娘の担任の先生に娘がひらがなを読めるようにならないこと、それを娘自身が不安に思っていることを伝えました。
娘はお友達の前では文字が読めないことをとても上手に隠して過ごしており、担任の先生も娘がそれほど字が読めないとは気付いていませんでした。
確かにあまり文字を読むのは得意な方ではないと思っていたものの、給食の献立も絵本も読めているかのように見ているし、みんな同じデザインの連絡帳もきちんと自分のものを選んで持って帰りますと驚いていました。
確かに私も娘が字が読めないのを隠し、年中の頃から園で配られた塗り絵などのプリントに記名する際には先生に依頼するのではなく、自分のつけている名札を盗み見てあたかも自力で名前を書けているかのように振る舞っていることは知っていました。
ただまさか先生も気付いていないほど上手く隠せているとは思わず、私もとても驚きました。
発達性読み書き障害だと思っていることを伝え、小学校では通級教室に通うなどのサポートを受けられるのでしょうか、と先生に聞いてみました。
すると先生からはまず病院で診断を受けた方がいいと言われました。
自治体の相談窓口ではまだ心配するのは早すぎると相談にも乗ってもらえないし、病院の予約は半年後にしか取れないし、担任の先生はすぐ診断を受けた方がいいと言うし、もう何が何やらどれを信じて良いのか…という気持ちになりました。
6歳娘が発達性読み書き障害と診断(仮)を受けるまで1
はじめまして。ななの母です。
このブログでは6歳年長で発達性読み書き障害と診断(仮)を受けた娘について記録します。
「ななちゃんは字が読めない」
娘が初めて自分だけ文字が読めない不安を私と夫に打ち明けてくれたのは、年長になったばかりの4月のことでした。夕食時の何気ない会話の中で悲しそうに言いました。
娘は夏生まれの元気な女の子で、これまで乳幼児検診でも0歳クラスから通い始めた保育園でも発達の遅れを指摘されたことはありませんでした。歩き出したのもしゃべり出したのも比較的早く、家でも保育園でもどちらかというと手のかからないしっかり者タイプです。
ただ年長になってもひらがなを一字も読めるようにならず、おそらく発達性読み書き障害の傾向があるのだろうなとは思っていました。
調べたところ発達性読み書き障害(ディスレクシア)は就学後にひらがなを習ってからしか正確な診断ができないそうだったので、まだできることはないのだろうと呑気に考えていました。
ただ娘の悲痛な訴えを受けて、私は自治体の発達障害に関する相談窓口に電話をかけました。
年長5歳の娘がひらがなを読めず発達性読み書き障害を疑っていること、他の発達には今のところ問題が見られないことを伝えましたが、5歳で心配するのは早すぎる、かるた遊びなどを一緒にしてあげて楽しく学習させてあげてくださいと取り合ってもらえず、諦めて電話を切ってしまいました(ちなみに別記事で紹介しますが娘の好きなポケモンのかるたを使ってカルタ遊びはよくやっていました)。
次に図書館に行って発達性読み書き障害、ディスレクシアに関する書籍を読み漁りました。
「うちの子は字が書けないかも」と思ったら 発達性読み書き障害の子の自立を考えるを見つけて読んだのもこの時です。
その後同シリーズの うちの子は字が書けない 発達性読み書き障害の息子がいます を夫への理解を促すために読んでもらいとても役立ちました。漫画になっていて読書が好きではない夫も読めました。
Twitterで自治体の相談窓口での話を愚痴ったところ、ASDのお子さんを持つフォロワーさんが自分も同じ経験があること、自治体を介さず自分で病院を予約して診断を受けたことを教えてくれました。
そこで私は近隣で発達性読み書き障害の診断ができそうな小児科、児童精神科を探しました。市内に発達性読み書き障害のリハビリも行っている小児科・児童精神科を見つけて予約の電話をかけましたが、初診が最短で2月になると言われました。
発達に関する相談は予約半年待ちもザラだとは聞いていましたが、いざ我が身に起こると驚きました。